6月に入ると気になるのが梅雨の長雨。外出を控えがちになる時期ですが、実は温泉旅行にとって6月は年間でもっともお得に泊まれるベストシーズンのひとつです。GWの賑わいが落ち着き、夏休みにはまだ早いこの端境期は、普段なかなか手が届かない人気温泉宿が1泊2食付き1万円以下で予約できるチャンスが広がります。
雨音を聴きながらの露天風呂、しっとりと輝く新緑、そして夜には幻想的な蛍の光――梅雨ならではの贅沢を、この記事で5つの穴場温泉エリアとともにお届けします。
- 6月が温泉旅行のベストシーズンである3つの理由
- 1泊2食1万円以下で泊まれる穴場温泉宿5選(地域別)
- 梅雨の温泉旅行で失敗しないための持ち物・予約のコツ
梅雨の温泉旅行が「最高」と言われる3つの理由
「雨の日に温泉?」と感じる方もいるかもしれませんが、温泉ファンの間では6月こそ本命の旅行月として知られています。その理由を3つに整理しました。
閑散期で宿泊料金が年間最安クラス
6月はGW明けから夏休み前の端境期にあたり、年間で最も宿泊需要が落ち込む月です。大手予約サイト「ゆこゆこ」の2026年6月データによると、通常期に1泊2食15,000円前後の温泉宿が、6月限定プランでは8,800円〜9,800円で提供されるケースが多数あります。楽天トラベルでも「直前割」「梅雨限定クーポン」の発行が増える時期で、同じ宿でも4月や8月と比較して30〜40%安い料金設定になることも珍しくありません。
新緑と雨が演出する「一生モノの露天風呂体験」
山間の温泉地では5月下旬から6月にかけて新緑がピークを迎えます。実際に梅雨時の山間温泉を訪れると、霧がかかった渓谷沿いの露天風呂は晴天の日とはまったく異なる幻想的な風情を見せてくれます。湯面に落ちる雨粒の音、濡れた岩の光沢、霧に包まれた山の稜線――こうした光景は梅雨の時期にしか出合えません。温泉写真家の間では「雨の露天風呂」が最も絵になるシーンとして撮影の狙い目とされています。
6月限定の「蛍温泉」が味わえる
ゲンジボタルの見頃は例年6月上旬から中旬にかけて。温泉街や宿の敷地内で蛍が観賞できる宿は全国に約40〜50カ所あるとされており、「日本秘湯を守る会」加盟宿のうち15宿以上がホタル観賞プランを用意しています。湯上がりの浴衣姿で蛍の光を眺める時間は、梅雨旅行だけの特権です。
1泊2食1万円以下で泊まれる穴場温泉宿5選【地域別】

全国から「6月の梅雨シーズンに特にお得になる」穴場の温泉宿を5エリアから厳選しました。いずれも1泊2食付きで1万円以下のプランが設定されています(2026年6月時点の参考価格)。
1. 山形県・肘折温泉(ひじおりおんせん)
開湯1200年を超える東北屈指の古湯で、朝市で有名な湯治場の雰囲気を今に残しています。6月の平均宿泊料金は1泊2食7,500円〜9,000円が中心帯。10軒ほどの小規模旅館が軒を連ね、源泉かけ流しの宿が多いのが特徴です。梅雨の時期は月山の残雪と新緑のコントラストが美しく、朝市では地元のおばちゃんが山菜を並べる風景に心が和みます。
泉質はナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉。保温効果が高く、湯冷めしにくいため梅雨の肌寒い日にも体の芯まで温まります。
2. 群馬県・法師温泉
みなかみ町の山奥に佇む一軒宿「長寿館」で知られる秘湯です。平日1泊2食9,800円〜のプランがあり、国登録有形文化財の「法師乃湯」は足元から温泉が自然湧出する全国的にも珍しい混浴風呂。6月の訪問者数は8月の約3分の1で、ゆったりと湯に浸かれます。
周辺ではモリアオガエルの産卵も見られ、蛍も6月中旬に飛びはじめます。現地に向かう山道は新緑のトンネルで、車窓から眺める風景もこの旅のハイライトです。
3. 長野県・鹿教湯温泉(かけゆおんせん)
「湯治の里」として古くから療養泉として親しまれてきた鹿教湯温泉は、1泊2食6,800円〜8,500円という驚きの料金設定が特徴です。環境省指定の国民保養温泉地で、弱アルカリ性単純温泉は肌あたりがやさしく「美肌の湯」とも呼ばれています。
6月には温泉街を流れる内村川沿いで蛍が飛び交い、宿泊者向けの「蛍散歩ツアー」を実施する旅館もあります。松本市内から車で約40分とアクセスも良好です。
4. 山口県・長門湯本温泉
音信川(おとずれがわ)のゲンジボタル発生地は国の天然記念物に指定されており、全国でも10カ所しかない貴重な鑑賞スポットです。1泊2食8,000円〜9,500円の宿が複数あり、宿のスタッフが蛍観賞スポットまで案内する「蛍散歩」が人気です。2026年は6月7日〜21日がホタルまつり期間で、席数限定の「蛍バス」も運行予定。
泉質はアルカリ性単純温泉で、pH9.6のとろりとした湯ざわりが特徴。新緑の渓谷と蛍の光を同時に楽しめる、梅雨旅行の理想的な目的地です。
5. 大分県・長湯温泉
「国内屈指の炭酸泉」として知られる長湯温泉は、炭酸ガスの含有量が国内トップクラス。1泊2食7,000円〜9,000円の家族経営の宿が多く、温泉通が繰り返し訪れる「知る人ぞ知る」存在です。
6月は九重連山の新緑が最も美しい季節で、ラムネのように泡が体にまとわりつく炭酸泉は梅雨のじめじめした気候を忘れさせてくれます。立ち寄り湯「ラムネ温泉館」は建築家・藤森照信氏の設計で、建物自体も一見の価値があります。入浴料は大人500円です。
梅雨の温泉旅行で失敗しないための持ち物チェックリスト

梅雨の温泉旅行は天候との付き合い方がカギ。快適に過ごすための持ち物を厳選しました。
コンパクト折りたたみ傘
温泉街の散策には軽量折りたたみ傘が欠かせません。重さ200g以下のモデルなら荷物にならず、急な雨にも対応できます。Wpc.の「バックプロテクトフォールディングアンブレラ」(約2,200円)は背中まで覆えるワイド設計で、温泉街歩きに最適です。
速乾タオル
通常のタオルは梅雨の湿気で乾きにくいもの。マイクロファイバー速乾タオルなら吸水力が綿タオルの約3倍あり、絞ればすぐに再利用できます。SEA TO SUMMITの「ドライライトタオル」(Mサイズ約2,800円)は温泉旅行のリピーターから支持されています。
防水スマホケース
蛍観賞や露天風呂周辺での撮影には防水スマホケースが安心です。IPX8対応のケースであれば水深30mまで対応し、雨天でも気兼ねなくスマートフォンを使えます。価格帯は1,000〜2,000円が中心です。
虫除けスプレー
蛍観賞の夜間は蚊も活発になる時期。ディート配合の虫除けスプレー(医薬部外品)を携帯しておくと安心です。蛍に影響を与えないよう、観賞30分前に塗布しておくのがコツです。
6月の温泉旅行をもっとお得にする予約テクニック

せっかくの閑散期、さらに賢く予約すれば驚くほど安く泊まれます。
「直前割」を狙うなら出発3日前が勝負
6月は全国的に宿泊稼働率が60%前後まで下がるため、出発3日前から空室を埋めるための直前値下げが発生しやすくなります。じゃらんnet・楽天トラベルでは「直前割」フィルターで一括検索が可能です。通常料金から20〜50%引きになるケースも珍しくありません。
クーポン併用で実質6,000円台も
楽天トラベルの「RaCoupon(ラ・クーポン)」は6月に発行枚数が増える傾向があります。宿独自の割引プランと楽天ポイント(通常1%〜最大10%還元)を組み合わせれば、実質6,000円台での宿泊も可能です。じゃらんでは「じゃらんスペシャルウィーク」が年4回開催され、6月は梅雨特集としてクーポンが大量配布されます。
平日出発で混雑回避と値引きの両取り
6月の温泉宿は火曜〜木曜が最も空いており、金土泊と比較して1,500〜3,000円安い料金設定になる傾向があります。有給休暇を1日取得して水木の1泊2日を組むのが、コストパフォーマンス最強のプランです。
穴場温泉宿への旅を120%楽しむ実践ガイド

温泉街の屋台・グルメを満喫する
穴場温泉地には地元の食材を活かした名物グルメが隠れています。肘折温泉の朝市では採れたての山菜の天ぷら(1パック300円〜)、長門湯本温泉では「瓦そば」(1人前850円前後)が定番です。温泉街の散策ついでに立ち寄れる食堂や屋台は、旅の満足度を大きく左右します。
駐車場情報と混雑回避のコツ
今回紹介した5つの温泉地はいずれも無料駐車場が整備されています。肘折温泉は温泉街入口に約50台分の無料駐車場があり、法師温泉・長寿館は宿泊者専用の駐車場(約20台)を完備。6月の閑散期は満車になることはほぼありません。周辺にコインパーキングがない温泉地もあるため、事前に宿へ駐車場の確認をしておくと安心です。
写真撮影のベストポジションと時間帯
梅雨の温泉旅行で映える写真を撮るなら、早朝6時〜7時の朝もやが狙い目です。肘折温泉の銅山川沿い、鹿教湯温泉の五台橋からの眺めは、霧と新緑が重なる幻想的な一枚が撮れるベストポジションです。蛍の撮影は三脚+長時間露光(ISO3200・シャッタースピード15秒前後)が基本で、フラッシュの使用はマナー違反となるため注意してください。
おすすめタイムスケジュール例(1泊2日モデルプラン)
梅雨の温泉旅行を無駄なく楽しむスケジュール例です。
- 1日目 14:00 チェックイン → 部屋で一息
- 1日目 15:00 大浴場・露天風呂でのんびり入浴
- 1日目 17:30 夕食(部屋食 or 食事処)
- 1日目 19:30〜21:00 蛍観賞(6月上旬〜中旬限定)
- 1日目 21:30 貸切風呂で湯上がりの余韻を楽しむ
- 2日目 6:30 早朝の朝もや撮影タイム
- 2日目 7:30 朝食 → 朝市散策(肘折温泉の場合)
- 2日目 10:00 チェックアウト → 周辺観光スポットへ
温泉地周辺の観光スポット
温泉宿でゆっくり過ごすだけでなく、周辺観光スポットに立ち寄ると旅の充実度がさらに高まります。法師温泉なら谷川岳ロープウェイ(片道1,800円)、鹿教湯温泉なら松本城(入場料700円)まで車で約40分。長湯温泉からは九重「夢」大吊橋(入場料500円)へのドライブが人気です。
よくある質問

Q. 6月の温泉は混雑しますか?
A. 6月はGW後・夏休み前の閑散期にあたり、年間でもっとも空いている月のひとつです。人気温泉地でも平日なら貸切状態の大浴場を楽しめることがあります。
Q. 梅雨でも露天風呂に入れますか?
A. 入れます。多くの露天風呂には屋根やひさしが設置されており、小雨程度なら問題ありません。雨粒が湯面に落ちる音を楽しむのも梅雨の露天風呂ならではの醍醐味です。
Q. 蛍が見られる温泉宿はいつ頃予約すればよいですか?
A. 蛍の見頃は地域によりますが、多くは6月上旬〜中旬です。ホタル観賞プランは人気が高いため、5月中旬までに予約するのがおすすめです。ただし6月の直前割で空きが出ることもあります。
Q. 1泊2食1万円以下の宿は本当にありますか?
A. あります。肘折温泉(山形)、鹿教湯温泉(長野)、長湯温泉(大分)など湯治場系の温泉地には、家族経営の小規模旅館が多く、通年で1万円以下のプランを提供しています。6月はさらに値下がりする傾向です。
Q. 梅雨の温泉旅行で注意すべきことはありますか?
A. 山間部の温泉地では大雨時に道路通行止めになることがあります。出発前に道路交通情報センター(050-3369-6600)や各県の道路情報サイトで最新の通行状況を確認してください。加えて、蛍観賞時はフラッシュ撮影を控え、懐中電灯は足元を照らす程度にするのがマナーです。
Q. 一人旅でも楽しめますか?
A. 6月は閑散期のため、一人旅プランを設定する宿が増える時期です。肘折温泉や鹿教湯温泉は湯治場の雰囲気が残り、一人旅のリピーターが多い温泉地として知られています。
Q. 子連れでも大丈夫ですか?
A. 蛍観賞は子どもにとっても忘れられない体験になります。長門湯本温泉のように宿のスタッフが観賞スポットまで案内してくれる宿なら、小さなお子さん連れでも安心です。事前に子ども向け設備(ベビーバス・子ども用浴衣など)の有無を確認しておくとスムーズです。
梅雨こそ温泉の旅へ踏み出そう

6月の温泉旅行は「安い・空いている・美しい」の三拍子が揃った、知る人ぞ知る旅のゴールデンタイムです。新緑に包まれた露天風呂、蛍が舞う温泉街の夜道、そして1万円以下で味わえる源泉かけ流しの贅沢――どれも梅雨の時期にしか出合えない体験ばかりです。
まずは気になる温泉地の空室状況をチェックして、梅雨ならではの温泉旅行を計画してみてください。直前割や梅雨限定クーポンが出ていれば、思い立ったその週末がベストタイミングです。
