北陸新幹線が敦賀まで延び、東京から福井の温泉地へ乗り換えなしで向かえるようになりました。とはいえ福井の温泉宿は、石川の加賀温泉郷ほど情報が多くありません。「あわら温泉と越前海岸はどう違うのか」「カニの時期はいくらかかるのか」と迷ったまま、予約サイトを行き来している人も多いのではないでしょうか。
この記事でわかること:
- あわら温泉・越前海岸・三国の宿の特徴と泉質の違い
- 越前がに解禁(11月6日)前後の料金相場と予約のタイミング
- カップル・家族・一人旅別の宿の選び方
- 日帰り入浴や足湯で、宿泊前に温泉街を下見する方法
福井の温泉宿は「湯の町・海辺・山あい」の3エリアで選ぶ
福井の温泉地は、県北部のあわら温泉に宿が集中しています。そこに日本海に面した越前海岸・三国の宿、奥越(おくえつ)と呼ばれる内陸の山あいの宿が加わるイメージです。まずは違いを一覧で確認してください。
| エリア | 特徴 | 1泊2食の目安(平日) | カニ会席シーズン | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| あわら温泉 | 旅館が集まる温泉街・自家源泉の宿が多い | 約15,000〜40,000円 | 約35,000〜70,000円 | 初めての福井・湯めぐり派 |
| 越前海岸 | 日本海の夕日・漁港直送の海鮮 | 約13,000〜30,000円 | 約30,000〜60,000円 | カニ・海鮮目当ての人 |
| 三国温泉 | 東尋坊に近い港町 | 約14,000〜30,000円 | 約30,000〜60,000円 | 観光と海鮮を両立したい人 |
| 奥越(勝山・大野) | 恐竜博物館・雲海の城下町 | 約10,000〜25,000円 | — | 家族旅行・コスパ重視の人 |
カニ会席の価格はズワイガニの大きさや本数で大きく変わります。タグ付きの越前がにを1杯まるごと使うプランは、1人7万円を超えることも珍しくありません。
あわら温泉:田んぼから湧いた「関西の奥座敷」
あわら温泉の始まりは明治16年(1883年)とされ、農業用の井戸を掘っていたところ温かい湯が湧き出したと伝えられています。その後は京阪神からの湯治客を集め、「関西の奥座敷」と呼ばれるようになりました。
宿ごとに源泉を持つ珍しい温泉地
あわら温泉には70本を超える源泉があり、多くの旅館が自家源泉を持っています。そのため宿によって泉質や湯の色、肌ざわりが異なるのが特徴です。塩化物泉系の湯が多く、湯上がりの保温効果を感じやすいと言われています。宿選びの段階で公式サイトの温泉分析書を見比べておくと、好みの湯に出会いやすくなるでしょう。露天風呂付き客室を備えた宿も多く、2人でゆっくり過ごしたい人に選ばれています。
アクセス:北陸新幹線の芦原温泉駅から約15分
2024年3月の北陸新幹線延伸で開業した芦原温泉駅は、東京駅から最短2時間51分です。駅西口から京福バスの東尋坊線に乗ると、あわら湯のまち駅まで約15分、運賃は300円。福井駅からはえちぜん鉄道三国芦原線で、あわら湯のまち駅へ直接向かえます。車の場合は北陸自動車道の金津ICから約10分で、多くの宿に無料駐車場が用意されているでしょう。
足湯と日帰り入浴で温泉街を下見する
あわら湯のまち駅周辺には無料で使える足湯があり、到着後すぐに温泉気分を味わえます。日帰り入浴施設の「セントピアあわら」は入浴料500円前後と手ごろで、実際に湯を試してから翌年の宿を決めるリピーターもいるそうです。駅から徒歩5分ほどなので、電車の待ち時間にも立ち寄れます。
越前海岸と三国:越前がにと日本海の夕日を楽しむ
越前海岸は、切り立った崖が続く日本海沿いの景勝地です。夕方になると水平線に沈む夕日が海を赤く染め、夜は沖に漁火が並びます。越前町の露天風呂「漁火」は、潮騒を聞きながら日本海を一望できる立ち寄り湯として知られています。
越前がにの解禁は毎年11月6日
福井の冬の主役は越前がにです。解禁日は毎年11月6日で、オスの漁期は翌年3月下旬まで続きます。メスの「せいこがに」は漁期が短く、例年12月末までしか味わえません。解禁直後と年末年始は料金が最も高くなり、2月以降はやや落ち着く傾向があります。
- 11月上旬〜中旬:解禁直後の話題性が高く、週末は早く埋まります
- 12月:せいこがにと越前がにを両方楽しめる時期です
- 1〜2月:平日なら料金が下がりやすく、雪景色の露天も楽しめます
三国温泉は東尋坊観光の拠点
三国港は越前がにの主要な水揚げ港のひとつです。三国温泉の宿から東尋坊までは車で10分前後、あわら温泉からも約20〜30分で移動できます。昼に東尋坊の柱状節理を見て、夜は港町の宿で海鮮を味わう組み合わせは、1泊2日の定番ルートになっています。
奥越の山あいで恐竜と雲海に出会う
福井の内陸部、勝山市には福井県立恐竜博物館があり、2023年夏のリニューアルで展示が大きく広がりました。子ども連れの旅行では、日中を博物館で過ごし、夜は近くの宿で温泉に入るプランが組みやすいエリアです。
隣の大野市には、秋から冬の早朝に雲海に浮かぶ姿が見られることがある越前大野城があります。雲海は10月〜11月の冷え込んだ朝に出やすいと言われ、城下町の宿に泊まって早起きするのがおすすめです。料金はあわら温泉より抑えめで、1泊2食1万円台から探せる宿もあります。
予算の目安とカップル・家族・一人旅別の選び方

福井の宿は「どこで何を食べたいか」で選ぶと失敗しにくくなります。旅のスタイル別に、選び方の目安をまとめました。
カップル・記念日なら
あわら温泉の露天風呂付き客室が有力な候補です。平日なら1人2万5,000円前後から見つかり、カニの時期でも記念日向けのプランを用意している宿があります。夕食を部屋食や個室の食事処にすると、周りを気にせず過ごせるでしょう。
子連れ・三世代なら
大浴場が広く、和洋室やバイキングがある大型旅館が向いています。恐竜博物館まではあわら温泉から車で約1時間なので、2泊してあわらと奥越を組み合わせる旅程も無理がありません。
一人旅なら
芦原温泉駅やあわら湯のまち駅から歩ける宿は、1名利用のプランが比較的見つかります。平日の素泊まりなら1万円を切ることもあるため、夕食は温泉街や三国港の食堂で越前おろしそばを味わうのも楽しい過ごし方です。
予約で損をしないためのコツ
- カニ会席は「1人何杯分か」「タグ付きかどうか」でプランの中身が変わるため、料金だけで比べないようにしましょう。
- 11月の週末は解禁直後の需要が集中するため、9月〜10月上旬の予約が安心です。
- 新幹線と宿をセットにしたプランは、個別に手配するより安くなる場合があります。
冬の北陸旅行に備える持ち物・準備物ガイド

福井の冬は雨や雪の日が多く、海沿いでは強い風が吹く日も少なくありません。次の装備があると、観光も湯めぐりも快適になります。
防風防寒ジャケット
東尋坊や越前海岸は海風が強く、体感温度が大きく下がります。防風性のある防寒ジャケットを1枚用意しておきましょう。
折りたたみ傘
北陸は晴れていても急に雨が降り出す日があります。軽量の折りたたみ傘はかばんに常備しておくと安心です。
速乾タオル
足湯や日帰り入浴を回るなら、速乾タオルがあると便利です。濡れたまま持ち歩いても乾きやすく、荷物がかさばりません。
保湿ケアセット
塩化物泉系の湯は保温効果が高い反面、冬の乾燥した空気で肌がつっぱることもあります。湯上がり用に保湿クリームを持っていくと安心でしょう。
よくある質問

Q1. 福井で初めて温泉宿に泊まるならどこがおすすめですか?
A. 宿の数が多く、駅からのアクセスも良いあわら温泉が選びやすいです。カニと海の景色を重視するなら越前海岸や三国温泉も候補になります。
Q2. 越前がにの宿泊プランはいくらくらいですか?
A. 1泊2食で1人約3万円〜7万円が目安です。タグ付きの越前がにを1杯以上使うプランほど高くなります。
Q3. 車なしでも福井の温泉宿に行けますか?
A. 行けます。あわら温泉は芦原温泉駅からバスで約15分、えちぜん鉄道でも直接向かえるでしょう。越前海岸は路線バスの本数が少ないため、宿の送迎の有無を確認してください。
Q4. 日帰りで福井の温泉を楽しめる施設はありますか?
A. あわら温泉のセントピアあわら(入浴料500円前後)や、越前町の露天風呂「漁火」などがあります。料金や営業時間は変わることがあるため、各施設の公式情報で確認しましょう。
Q5. 越前がにとせいこがにの違いは何ですか?
A. 越前がにはズワイガニのオス、せいこがにはメスの呼び名です。せいこがには小ぶりで、内子や外子と呼ばれる卵を味わえるのが魅力とされています。
Q6. 冬に車で行く場合の注意点はありますか?
A. 12月〜2月は積雪や路面凍結があるため、スタッドレスタイヤが必要です。レンタカーを借りる場合も、冬用タイヤが装着されているか予約時に確認してください。
福井の湯宿で、カニと日本海を味わう旅を計画しよう
自家源泉の湯めぐりならあわら温泉、夕日とカニなら越前海岸、観光と港町の食事なら三国温泉、家族旅行なら奥越と、福井の温泉宿は旅の目的で選び分けると満足度が上がります。越前がにの解禁が近づく今の時期は、行きたいエリアを決めたら早めに候補の宿の空室と料金を比べておくと、希望の日程を押さえやすくなります。
