源泉数・湧出量ともに全国トップクラス|別府八湯の魅力とは
大分県別府市は、源泉数2,217か所、毎分約83,000リットルという圧倒的な湧出量を誇る全国屈指の温泉都市です。市内には「別府八湯」と呼ばれる8つの温泉郷が点在し、それぞれ異なる泉質と雰囲気を楽しめます。
別府温泉・浜脇温泉・観海寺温泉・堀田温泉・明礬温泉・鉄輪温泉・柴石温泉・亀川温泉——この8つのエリアに、単純泉から硫黄泉、炭酸水素塩泉まで10種類以上の泉質が集まっているのは、世界的に見ても極めて珍しいことです。
東京から飛行機で約1時間40分、福岡空港からは高速バスで約2時間15分。日帰りでも十分に満喫できるアクセスの良さも、別府の大きな魅力です。
別府で外せない日帰り温泉8選
別府市内には100を超える日帰り入浴施設がありますが、初めて訪れる方にこそ体験してほしい個性豊かな8つの名湯を厳選しました。
竹瓦温泉|明治12年創業の別府のシンボル
1879年(明治12年)に創設され、現在の建物は1938年(昭和13年)に建てられた唐破風造りの堂々たる木造建築です。別府駅から徒歩約10分という好立地ながら、入浴料はわずか300円。地元の方々が日常的に通う共同浴場の雰囲気がそのまま残っています。
名物の砂湯(1,500円)では、温泉で温められた砂の上に横たわり、スタッフが砂をかけてくれます。15分ほどで全身がじんわり温まり、血行促進やデトックス効果が期待できます。タオルは持参するか、受付で購入(200円程度)してください。
泉質: ナトリウム−塩化物泉 営業時間: 6:30〜22:30 定休日: 第3水曜日
ひょうたん温泉|ミシュラン三つ星の源泉かけ流し
1922年創業、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで三つ星を獲得した鉄輪エリアの名湯です。入浴料は大人880円で、露天風呂・瀧湯・蒸し湯・砂湯・歩行湯と多彩な浴槽を楽しめます。
特に圧巻なのは、高さ約3mから落ちる瀧湯(打たせ湯)。源泉100%かけ流しの熱い湯を独自の「湯雨竹(ゆめたけ)」という竹製装置で適温に冷ましており、加水なしの贅沢な湯浴みが体験できます。
施設内の食事処では「地獄蒸し」も味わえるため、温泉とグルメを一か所で満喫できます。
泉質: ナトリウム−塩化物泉 営業時間: 9:00〜25:00 定休日: 年中無休(臨時休業あり)
別府温泉保養ランド|全国屈指の泥湯体験
明礬温泉エリアにある、紺屋地獄の源泉を利用した泥湯が名物の施設です。入浴料は大人1,100円。内湯の白濁したコロイド湯に浸かったあと、露天の泥湯へ進むのがおすすめの順序です。
泥湯は深さ約30cmほどで、底に沈殿した鉱泥を肌に塗ると天然の泥パック状態になります。硫黄の香りに包まれながら、日常では味わえない原始的な温泉体験が楽しめます。
露天風呂は混浴エリアがあるため、気になる方は内湯のみの利用も可能です。
泉質: 単純硫黄泉(硫化水素型) 営業時間: 9:00〜20:00 定休日: 不定休
明礬 湯の里|湯の花小屋と絶景露天
明礬温泉の高台に位置し、別府湾を一望できる大露天風呂が自慢の施設です。入浴料は大人600円とリーズナブル。乳白色の硫黄泉は肌がすべすべになると評判です。
敷地内には江戸時代から続く製法で「湯の花」を製造する湯の花小屋が並び、国の重要無形民俗文化財に指定されています。入浴前後に見学すると、別府温泉の歴史をより深く感じられます。お土産に湯の花(550円〜)を購入すれば、自宅でも明礬の湯を再現できます。
泉質: 単純硫黄泉 営業時間: 10:00〜19:00 定休日: 不定休
鉄輪むし湯|石菖の香りに包まれる蒸し風呂
鎌倉時代に一遍上人が開いたと伝わる、約700年の歴史を持つ蒸し湯です。入湯料は700円、蒸し湯用の浴衣レンタルが別途220円かかります。
石室の床に敷き詰められた薬草「石菖(せきしょう)」の上に横たわると、温泉の蒸気と石菖の爽やかな香りが全身を包みます。室温は約50〜60℃で、8分間が目安です。サウナとは全く異なる、やさしい蒸し方が特徴です。
蒸し湯のあとは併設の普通浴(ナトリウム−塩化物泉)でさっぱり流すのが地元流の楽しみ方です。
泉質: 単純泉(蒸気99.5℃) 営業時間: 7:30〜19:00 定休日: 第4木曜日
海門寺温泉|駅チカの穴場共同浴場
別府駅から徒歩約5分、入浴料わずか210円で入れる地元密着の共同浴場です。観光客はほとんど訪れないため、別府の日常的な温泉文化を体感するには最高の場所です。
建物は2003年にリニューアルされ、清潔感があります。熱めの「あつ湯」とぬるめの「ぬる湯」の2つの浴槽があり、好みに合わせて選べます。シャンプーや石けんは備え付けがないため、持参してください。
泉質: 炭酸水素塩泉 営業時間: 7:00〜22:30 定休日: 第2火曜日
渋の湯|鉄輪の路地裏に佇む無料温泉
鉄輪温泉街の路地裏にひっそりと佇む、地元組合が管理する共同浴場です。利用は無料(寸志箱あり)で、観光客も入浴可能です。
脱衣所と浴室が一体になった昔ながらの造りで、浴槽は4〜5人でいっぱいになるほどの小ささ。源泉温度が高いため、水で埋めながら入ります。別府の「本物の共同浴場文化」を肌で感じたい方におすすめです。
泉質: ナトリウム−塩化物泉 営業時間: 6:30〜21:00 定休日: なし
別府海浜砂湯|波音を聞きながらの砂蒸し体験
上人ヶ浜公園内にある、海岸沿いの屋外砂湯です。入浴料は大人1,050円(浴衣レンタル込み)。砂に埋もれながら波の音を聞く体験は、別府ならではの贅沢です。
温泉で温められた砂の温度は約42〜45℃で、15分ほど入ると全身がポカポカに温まります。特に冬場は、砂から出た瞬間の海風が心地よく感じられます。事前予約は不要ですが、土日は30分〜1時間の待ち時間が出ることもあります。
泉質: ナトリウム−塩化物泉 営業時間: 8:30〜17:00(季節変動あり) 定休日: 第4水曜日
| 施設名 | 料金(大人) | 泉質 | 営業時間 | タオル |
|---|---|---|---|---|
| 竹瓦温泉 | 300円 | ナトリウム塩化物泉 | 6:30〜22:30 | 持参 or 購入 |
| ひょうたん温泉 | 880円 | ナトリウム塩化物泉 | 9:00〜25:00 | レンタルあり |
| 保養ランド | 1,100円 | 単純硫黄泉 | 9:00〜20:00 | 持参推奨 |
| 明礬 湯の里 | 600円 | 単純硫黄泉 | 10:00〜19:00 | レンタルあり |
| 鉄輪むし湯 | 700円 | 単純泉 | 7:30〜19:00 | 浴衣レンタル220円 |
| 海門寺温泉 | 210円 | 炭酸水素塩泉 | 7:00〜22:30 | 持参 |
| 渋の湯 | 無料(寸志) | ナトリウム塩化物泉 | 6:30〜21:00 | 持参 |
| 別府海浜砂湯 | 1,050円 | ナトリウム塩化物泉 | 8:30〜17:00 | 浴衣込み |
地獄めぐりモデルコース|半日プランと1日プラン
別府観光の定番「地獄めぐり」は、7つの地獄を巡る周遊観光です。共通観覧券は大人2,200円、小人1,000円で、すべての地獄に入場できます。個別入場の場合は1か所450円です。
半日プラン(約3時間)|鉄輪エリア集中コース
時間が限られている方は、鉄輪エリアに集中する5つの地獄を巡るのが効率的です。
- 9:00 海地獄(コバルトブルーの湯は98℃。庭園も見事)
- 9:30 鬼石坊主地獄(灰色の泥が球状にボコボコ湧く様子が坊主頭に似ている)
- 10:00 かまど地獄(1丁目〜6丁目まで異なる泉質の地獄が集合。手湯・足湯も無料)
- 10:30 鬼山地獄(別名「ワニ地獄」。約70頭のワニを飼育)
- 11:00 白池地獄(青白い湯と熱帯魚館)
鉄輪エリアの5つはすべて徒歩圏内(各施設間3〜5分)で移動できます。半日コースなら午後は日帰り温泉やグルメに充てられます。
1日プラン(約5〜6時間)|全7地獄完全制覇
午前中に鉄輪エリア5地獄を回り、昼食後に車またはバスで血の池・龍巻エリア(鉄輪から約3km)へ移動します。
- 13:00 血の池地獄(日本最古の天然地獄。酸化鉄で真っ赤に染まった熱泥が迫力満点)
- 13:30 龍巻地獄(間欠泉が30〜40分間隔で噴出。高さ約50mの勢いで吹き上がる)
亀の井バスの定期観光バス「別府地獄めぐり」を利用すれば、ガイド付きで全7地獄を3時間で巡れます。料金は大人3,900円(入場料込み)です。
別府へのアクセス|3つのルートを比較
| ルート | 所要時間 | 料金目安 | おすすめポイント |
|---|---|---|---|
| 福岡空港→高速バス | 約2時間15分 | 3,250円 | 乗り換えなし・本数多い |
| JR博多駅→特急ソニック | 約2時間 | 5,940円(自由席) | 車窓から別府湾の絶景 |
| 大分空港→エアライナー | 約50分 | 1,600円 | 東京・大阪から直行便あり |
| 福岡空港→車(高速) | 約2時間 | 高速代約3,500円+燃料費 | 地獄めぐりの移動に便利 |
車なしの場合は、別府市内の移動に亀の井バスの1日乗車券(大人1,000円)が便利です。鉄輪温泉〜別府駅〜地獄めぐりのルートをカバーしています。
温泉のあとに味わいたい別府グルメ3選
地獄蒸し工房 鉄輪の蒸し料理
温泉の噴気を利用した「地獄蒸し」は、別府鉄輪ならではの調理法です。地獄蒸し工房 鉄輪では、47種類の食材から好きなものを選び、セルフで蒸し上げます。
一番人気は海鮮セット(2,000〜3,000円)。エビ・カニ・サザエなどを約20分蒸すと、温泉の塩分が絶妙に効いた仕上がりになります。蒸し釜の利用料は基本無料(食材持ち込みの場合は釜代510円)で、近くの商店で食材を購入して持ち込むのも地元流です。
大分名物とり天
大分県発祥のとり天は、鶏むね肉に衣をつけて揚げた天ぷら風の料理です。からあげとは異なり、ふんわり軽い衣とポン酢+からし醤油で食べるのが特徴です。
別府駅周辺では「東洋軒」(大正15年創業・とり天発祥の店)が定番ですが、ランチタイムは行列必至です。10席ほどの店内に11:30前に着くと比較的スムーズに入れます。とり天定食は1,100円前後です。
別府冷麺
戦後の1950年頃、満州から引き揚げた料理人が朝鮮冷麺を和風にアレンジしたのが始まりとされる別府冷麺。焼肉店の冷麺とは異なり、あっさりとした和風出汁ベースのスープに太めのモチモチ麺が特徴です。
「六盛」や「胡月」が地元で人気の老舗です。1杯800〜1,000円程度で、温泉のあとの火照った体にひんやりとしたスープが染み渡ります。
よくある質問
Q. 別府温泉の日帰り旅行にかかる費用の目安はどのくらいですか?
日帰り温泉2〜3か所(500〜2,000円)+地獄めぐり共通券(2,200円)+食事(1,500〜3,000円)+交通費で、合計8,000〜15,000円程度が目安です。共同浴場中心なら温泉代をさらに抑えられます。
Q. 地獄めぐりの所要時間はどのくらいですか?
鉄輪エリア5地獄だけなら約2〜3時間、全7地獄を回ると約5〜6時間が目安です。定期観光バスを使えば約3時間で全地獄を効率よく巡れます。
Q. 別府温泉で一番おすすめの日帰り温泉はどこですか?
初めての方には、多彩な浴槽を1か所で楽しめるひょうたん温泉がおすすめです。「本物の共同浴場」を体験したいなら竹瓦温泉、泥湯という唯一無二の体験を求めるなら別府温泉保養ランドが向いています。
Q. 別府温泉にタオルは持っていくべきですか?
共同浴場(竹瓦温泉・海門寺温泉・渋の湯など)にはタオルの備え付けがないため、持参が必須です。ひょうたん温泉や明礬 湯の里ではレンタルがあります。バスタオル1枚+フェイスタオル2枚を持っていくと安心です。
Q. 地獄めぐりと日帰り温泉を1日で両方楽しめますか?
午前中に鉄輪エリアの5地獄を巡り、昼食に地獄蒸しを食べ、午後に日帰り温泉2〜3か所を回るプランなら十分に両立できます。鉄輪温泉街にはひょうたん温泉や鉄輪むし湯があるため、地獄めぐりと温泉をセットにしやすいエリアです。
Q. 車なしでも別府観光は楽しめますか?
別府駅を起点に亀の井バスの1日乗車券(1,000円)を使えば、地獄めぐり・鉄輪温泉・明礬温泉の主要スポットにアクセスできます。定期観光バスの「別府地獄めぐりコース」もバスガイド付きで効率的です。
別府の湯と味覚を存分に堪能する旅へ出かけよう
別府は「温泉に入る」だけの街ではありません。地獄めぐりの迫力ある自然、300円で入れる歴史ある共同浴場、温泉蒸気で調理する地獄蒸しグルメ——五感すべてで温泉文化を体感できる場所です。
まずは鉄輪温泉エリアを拠点に、地獄めぐり+ひょうたん温泉+地獄蒸しランチの3点セットから始めてみてください。温泉好きなら、きっとリピーターになるはずです。
次の週末、別府行きのチケットを調べるところから始めてみましょう。