温泉だけでは物足りない、サウナも一緒に楽しみたいという方が増えています。2020年代に入ってからのサウナブームは温泉旅館にも波及し、客室にプライベートサウナを備えた宿や、本格的なフィンランド式サウナを設置する施設が次々と登場しました。実際に2026年7月時点で、関東近郊だけでもサウナ付き温泉旅館は40軒以上に増加。温泉とサウナの「温冷交代浴」による深いリラクゼーション効果を体験できる宿が、いまや珍しくなくなっています。
温泉とサウナの両方を堪能できるおすすめの宿を、箱根・伊豆・草津・日光の4エリアから厳選してお届けします。
- 客室プライベートサウナ付き温泉旅館の特徴と料金
- 本格フィンランド式サウナを備えた温泉宿
- 日帰りで楽しめるサウナ付き温泉施設
- 温冷交代浴の正しい手順と効果
- サウナ初心者が温泉旅館で注意すべきマナー
客室プライベートサウナ付き温泉旅館の魅力と料金相場
プライベートサウナ付き客室の最大の魅力は、時間を気にせず自分のペースで温冷交代浴を楽しめる点でしょう。共用サウナでは混雑時に落ち着かないこともありますが、客室付きなら深夜でも早朝でも利用可能です。料金相場は1泊2食付きで約35,000円から80,000円と幅があり、サウナの種類(ドライ/スチーム/薪式)や温泉の泉質によって変わります。2026年夏の予約動向を見ると、客室サウナ付きプランは通常客室の約1.5倍の価格帯ながら稼働率は90パーセント超。早めの予約が不可欠な人気カテゴリとなっています。
箱根仙石原のスモールラグジュアリーホテル(1泊45,000円から)
2024年2月に開業した箱根仙石原のスモールラグジュアリーホテルでは、全室にドライサウナと水風呂が完備されています。源泉かけ流しの露天風呂も各客室に付いており、「サウナ→水風呂→露天風呂で外気浴」という理想的な動線を客室内で完結できるのが特徴でしょう。現地を訪れると、仙石原の高原に佇む静寂な雰囲気が印象に残ります。サウナ室の温度は約85度から90度に設定されており、セルフロウリュも可能。1泊2食付き約45,000円から75,000円で、食事は地元の相模湾や箱根西麓の食材を使った創作和食を楽しめます。
伊豆下田の老舗温泉旅館「清流荘」(1泊38,000円から)
伊豆下田で100年以上の歴史を持つ清流荘は、2023年にサウナ棟を新設して話題を集めました。本館の大浴場に加え、独立棟としてフィンランド式薪サウナを設置しています。薪の燃える音と香りに包まれながらの入浴は格別でしょう。水風呂は敷地内を流れる天然の渓流水を引き込んでおり、水温は夏場でも約18度から20度を維持。温泉の泉質は単純温泉(pH値8.9)で、とろりとした肌触りが特徴です。1泊2食付き約38,000円から60,000円となっています。
本格フィンランド式サウナを備えた温泉宿3選

サウナ愛好家にとって、フィンランド式サウナと天然温泉の組み合わせは究極の贅沢といえるでしょう。ロウリュ(蒸気浴)ができる本格的なサウナストーブを備え、外気浴スペースに露天風呂を配置した施設が増えています。都心から2時間以内でアクセスできる3軒を厳選しました。
草津温泉のサウナ付き和モダン旅館(1泊28,000円から)
草津温泉にある和モダン旅館では、大浴場エリアにセルフロウリュ対応のフィンランド式サウナを2室設置しています。草津の名物である強酸性の硫黄泉(pH値2.1)で温まった後にサウナに入ると、発汗効果が通常の約1.3倍に高まるとされているのが興味深い点。水風呂の温度は約14度から16度に設定されており、温泉とサウナの温度差は約60度。この大きな温度差こそが「ととのう」感覚を生み出す秘密でしょう。1泊2食付き約28,000円から42,000円で、夕食には上州牛のすき焼きが供されます。
日光の自然派温泉リゾート(1泊32,000円から)
日光国立公園に隣接する自然派温泉リゾートでは、標高約1,200メートルの高原にアウトドアサウナを設置しています。森林に囲まれたテント型サウナ(約100度)から出て、目の前の渓流に飛び込む体験は圧巻。夏場でも渓流水温は約15度から17度と冷たく、外気浴では高原の涼風を全身に感じることができるでしょう。泉質はアルカリ性単純温泉で、pH値8.7の滑らかな湯が疲労回復をサポートしてくれます。1泊2食付き約32,000円から50,000円。夕食は日光の湯波(ゆば)や栃木和牛を使った会席料理です。
秩父の古民家サウナ宿(1泊22,000円から)
秩父の山間に佇む古民家を改装したサウナ宿では、築80年の蔵を改装した薪式バレルサウナが目玉となっています。サウナ室から出ると、目の前に秩父の山々を望む絶景が広がる贅沢なロケーション。温泉は秩父七湯のひとつから引いた炭酸水素塩泉で、美肌効果が高いとされています。1日3組限定のため、静かな環境でサウナと温泉を独占できるのが大きな魅力でしょう。1泊2食付き約22,000円から35,000円で、食事は秩父産の野菜と猪肉を使った囲炉裏料理を堪能できます。
日帰りで楽しめるサウナ付き温泉施設の厳選ガイド

宿泊なしでサウナと温泉を楽しみたい方には、日帰り利用可能な施設がおすすめです。都心から電車で1時間から2時間圏内の施設を中心に、手軽に「ととのう」体験ができるスポットを紹介しましょう。
箱根湯本のサウナ付き日帰り温泉(入館料1,800円から)
箱根湯本駅から徒歩約10分の大型日帰り温泉施設では、男女各3種類のサウナ(ドライ・スチーム・塩サウナ)を備えています。源泉かけ流しの露天風呂と水風呂を含めると浴槽は全12種類。入館料1,800円で最大8時間滞在でき、タオルセットのレンタル(300円)も利用可能です。土日祝日の混雑を避けるなら、開館直後の朝10時から12時の間が狙い目でしょう。レストランも併設されており、温泉とサウナの後に湯上がりの生ビール(700円)を楽しむ方も多いです。
熱海のオーシャンビューサウナ(入館料2,200円から)
熱海駅から送迎バスで約10分の温泉施設には、相模湾を一望できるオーシャンビューの外気浴デッキが自慢です。サウナ室は約90度に設定されたドライサウナで、毎時0分と30分にオートロウリュが発動。水風呂は海水を利用した約17度のプールタイプで、通常の水風呂とは異なる独特の浮遊感を味わえるでしょう。泉質はナトリウム塩化物泉で、温泉の塩分が発汗後の肌をコーティングし保温効果を高めてくれます。入館料2,200円(平日割引1,800円)で、岩盤浴エリアの追加利用は別途500円となっています。
温冷交代浴の正しい手順と効果を知っておこう

温泉旅館でサウナを最大限に楽しむためには、温冷交代浴の正しい手順を押さえておくことが大切です。自律神経のバランスを整え、深いリラクゼーション効果を得るための基本手順をお伝えしましょう。
手順1: まず温泉で体を温める(10分から15分)
最初に温泉の露天風呂や内湯で体を芯から温めます。入浴前にかけ湯で体を慣らし、じんわりと汗が出るまで浸かるのがポイント。
手順2: サウナに入る(8分から12分)
温泉で温まった体でサウナに入ると、通常より短い時間で十分な発汗が得られます。初心者は下段に座り、8分程度から始めるのが安全でしょう。脈拍が通常の1.5倍程度(1分間に100回から120回)になったら退室の目安です。
手順3: 水風呂に入る(30秒から1分)
水風呂は肩まで一気に浸かるのがコツ。最初の10秒は冷たさを感じますが、その後は体の周りに「羽衣」と呼ばれる温かい層ができて快適になります。
手順4: 外気浴で休憩する(5分から10分)
露天スペースのデッキチェアやベンチに横たわり、目を閉じてゆっくり深呼吸。このとき全身に広がる多幸感が、サウナ愛好家が「ととのう」と表現する状態です。温泉旅館なら露天風呂の横に外気浴スペースがあるケースが多く、自然の風と温泉の湯気を同時に感じられるのが格別でしょう。
温冷交代浴は2セットから3セット繰り返すのが理想的です。ただし脱水に注意し、セット間に必ずコップ1杯(約200ミリリットル)の水を補給してください。飲酒後のサウナ利用は心臓への負担が大きいため避けるのが鉄則。温泉旅館の夕食前にサウナを楽しみ、食事中にビールを解禁するというスケジュールがおすすめです。
よくある質問
Q. サウナ初心者でも温泉旅館のサウナを楽しめますか?
A. もちろん楽しめます。温泉旅館のサウナは温度設定が約80度から90度と、専門サウナ施設(約90度から100度)よりやや低めに設定されていることが多いです。初めての方はまず5分から8分の短時間利用から始め、体調を見ながら徐々に時間を延ばすのが安全でしょう。
Q. サウナ付き客室の料金相場はどのくらいですか?
A. 1泊2食付きで約35,000円から80,000円が一般的な相場です。通常客室との差額は約10,000円から20,000円程度で、深夜や早朝にも自由に利用できる点を考えるとコストパフォーマンスは高いといえるでしょう。平日限定の割引プランを用意する施設も増えています。
Q. サウナと温泉はどちらを先に入るべきですか?
A. 温泉を先に入って体を芯から温めてからサウナに移るのが効果的です。温泉の成分で肌が潤った状態でサウナに入ると発汗がスムーズになり、短時間でしっかり汗をかけます。逆にサウナ後に温泉に浸かると泉質の効果を肌に留めやすいとされているため、最後の仕上げにぬるめの温泉に浸かるのもおすすめ。
Q. 温泉旅館のサウナにタトゥーがあっても入れますか?
A. 客室プライベートサウナならタトゥーの有無にかかわらず利用可能です。共用大浴場のサウナについては施設ごとにルールが異なり、タトゥーカバーシール着用で利用可能な宿もあれば、入浴をお断りする施設もあります。予約前に公式サイトで確認するか、直接問い合わせるのが確実でしょう。
Q. 夏にサウナは暑くないですか?
A. 夏のサウナは水風呂と外気浴がさらに気持ち良く感じられる季節です。外気温が高い分、水風呂の冷たさとのコントラストが際立ち、外気浴での開放感も格別。特に高原や渓流沿いの温泉旅館なら、外気浴中の気温は25度前後と心地よく、爽やかな風を全身に浴びながらリラックスできるでしょう。
Q. サウナで持っていくべきアイテムは?
A. サウナハット(約2,000円から5,000円)は頭部の過熱を防ぐ必須アイテムです。フェイスタオル2枚、ウォーターボトル(1リットル以上)、サウナマット(施設によっては備え付けあり)も持参すると快適さが大きく変わります。特にサウナハットは貸し出しのない旅館が多いため、自前で用意しておくのがおすすめでしょう。
温泉とサウナで最高の夏のリフレッシュ体験を
温泉とサウナの組み合わせは、日常の疲れをリセットする最強の癒やしコンビネーションです。客室プライベートサウナでゆったり過ごすのもよし、大自然の中のアウトドアサウナで冒険気分を味わうのもよし。2026年の夏は、温泉だけでは味わえない「ととのう」体験を温泉旅館でぜひ試してみてください。予約は1か月前には確定させるのが安心で、平日プランなら5,000円から10,000円ほどお得になるケースも。サウナハットと水分補給の準備を忘れずに、最高の温冷交代浴を楽しんでみてはどうでしょうか。
