夕方、鳥羽湾に浮かぶ島々が茜色に染まるころ、海沿いの旅館の露天風呂には潮の香りを含んだ風が吹き抜けます。三重県というと伊勢神宮参拝のイメージが強いかもしれませんが、実は県内には泉質も雰囲気もまったく違う温泉地が点在していて、「どこに泊まるか」で旅の印象が大きく変わります。
ただ、湯の山・榊原・長島・鳥羽の違いを知らないまま予約すると、「観光地から遠かった」「思っていたより海が見えなかった」と後悔しかねません。
この記事でわかること
- 三重県の代表的な4つの温泉地の泉質・特徴の違い
- 温泉地ごとのおすすめの宿と、名物料理の傾向
- 宿泊費の目安と、同行者に合わせた選び方
- 混雑を避ける予約時期と、持っていくと便利なもの
- 三重県の温泉宿選びでよくある質問への回答
三重県の温泉宿は4つの温泉地から選ぶ|泉質・特徴の比較表
三重県の温泉宿選びは、まず温泉地を決めるところから始まります。北から順に、御在所岳の麓の湯の山温泉、枕草子にも登場する榊原温泉、テーマパークと一体になった長島温泉、海の幸と湯めぐりが魅力の鳥羽温泉郷という顔ぶれです。
| 温泉地 | 泉質の特徴 | 向いている旅 | 最寄り駅・IC |
|---|---|---|---|
| 湯の山温泉(菰野町) | アルカリ性のラジウム泉・無色透明 | 紅葉・登山・ロープウエイ | 近鉄湯の山温泉駅/新名神 菰野IC |
| 榊原温泉(津市) | アルカリ性単純温泉・pH9.6前後 | 静かに湯を楽しむ・美肌目的 | 近鉄榊原温泉口駅/伊勢道 久居IC |
| 長島温泉(桑名市) | アルカリ性単純温泉・pH8.5・源泉60℃ | 家族旅行・テーマパーク | 近鉄・JR桑名駅/東名阪 長島IC |
| 鳥羽温泉郷(鳥羽市) | アルカリ性単純温泉・pH8.8・源泉43.5℃ | 海鮮料理・伊勢神宮参拝 | 近鉄・JR鳥羽駅/伊勢二見鳥羽ライン |
4つとも「アルカリ性」のなめらかな湯という共通点があり、肌あたりのやさしさは三重県の温泉全体の魅力と言えます。違いが出るのは、周りに何があるかと、夕食に何が並ぶかです。
温泉地別の特徴とおすすめの宿
湯の山温泉:鹿が傷を癒やした伝説の湯と御在所岳
湯の山温泉には、傷ついた鹿が湯に浸かって傷を治したという開湯伝説が残り、古くから「鹿の湯」とも呼ばれてきました。泉質はラドンを含むアルカリ性のラジウム泉で、神経痛や疲労回復に効果が期待できる湯として親しまれています。
温泉街のすぐ上には、全長2,161m・約12分で山上まで結ぶ御在所ロープウエイがあります。10月中旬から山頂付近が色づき始め、11月上旬には温泉街の周辺まで紅葉が下りてくるのが例年の流れです。宿の候補は、ロープウエイ山麓駅まで徒歩3分ほどの三慶園、開湯伝説にちなむ名前の鹿の湯ホテル、泉質の由来を公式サイトで詳しく紹介しているホテル湯の本など。電車の場合は近鉄湯の山温泉駅から路線バス(460円)で温泉街に入れます。
榊原温泉:清少納言が記した「ななくりの湯」
榊原温泉は、枕草子に「湯はななくりの湯、有馬の湯、玉造の湯」と記された「七栗の湯」とされる古湯です。pH9.6前後という高いアルカリ性の湯は、肌がつるつるになる感触から「美人の湯」とも呼ばれています。かつては伊勢参りの前に身を清める「湯垢離(ゆごり)」の場でもありました。
現地に行くと、温泉街は山あいの小さな集落で、にぎやかな歓楽街はないことに気づくはずです。そのぶん、夜は静かに湯と向き合える環境です。老舗の湯元榊原舘は日帰り入浴施設「湯の庄」も併設しています。夕食に松阪牛を組み込んだプランを用意する宿も多く、津市・松阪市に近い立地を生かした料理が楽しめます。近鉄榊原温泉口駅からは、宿の送迎バスを利用する形が一般的です。
長島温泉:湯あみの島とテーマパークを一度に楽しむ
桑名市の長島温泉は、ナガシマリゾートの中にある温泉地です。巨大温泉施設「湯あみの島」には男女合わせて17の内風呂・露天風呂があり、男湯は黒部峡谷、女湯は奥入瀬渓流をイメージした造りになっています。泉質はアルカリ性単純温泉で、源泉温度は約60℃です。
湯あみの島の日帰り入館料は、大人2,500円(15時以降1,900円・19時以降1,400円)です。一方、ホテル花水木などリゾート内の宿に泊まると、湯あみの島に2日間、ナガシマスパーランドに2日間、なばなの里のベゴニアガーデンに1回入場できる特典がつきます(のりもの料金は別)。子どもと一緒に遊園地と温泉の両方を楽しみたい家族には、費用面でも効率のよい選択肢です。夕食には、桑名名物の焼きはまぐりが並ぶこともあります。
鳥羽温泉郷:鳥羽湾を望む湯めぐりと伊勢海老
鳥羽温泉郷の湯は、地下約2,000mから湧き出る43.5℃の源泉で、pH8.8のアルカリ性単純温泉です。ぬるりとした肌ざわりがあり、海辺の宿の露天風呂から鳥羽湾の島々を眺めながら浸かれるのが魅力です。
鳥羽駅から徒歩3分の戸田家は、男女合わせて13湯・足湯2湯を備え、無料の貸切風呂が5つあります。三重県の伊勢海老漁は例年10月に解禁されるため、秋から冬にかけては伊勢海老や鮑を使った会席プランが増える時期です。伊勢神宮の内宮までは車で20〜30分ほどで、参拝と組み合わせやすい立地もうれしいところです。
宿泊費の予算と料金の目安
三重県の温泉宿の宿泊費は、温泉地よりも「夕食の内容」と「曜日」で大きく変わります。予約サイトに掲載されている1泊2食付きプランを見比べると、おおよその目安は次のとおりです。
| 価格帯(1人・1泊2食) | 主な内容 | 選ぶときのポイント |
|---|---|---|
| 1万円台前半 | 平日の和室・会席またはバイキング | 湯の山・榊原の平日プランに多い |
| 2万円前後 | 海側の客室・地元食材の会席 | 鳥羽の海が見える客室や松阪牛プラン |
| 3万円以上 | 露天風呂付き客室・伊勢海老や鮑の会席 | 記念日や特別な旅に |
土曜日や連休前日は、同じプランでも平日より数千円〜1万円ほど高くなる傾向があります。金額は時期によって変動するため、実際の料金は予約サイトで日付を指定して確認しましょう。
カップル・家族など同行者に合わせた選び方

同じ三重県内でも、誰と行くかで向いている温泉地が変わります。
- カップル・夫婦:鳥羽の海が見える客室か、静かな榊原温泉。露天風呂付き客室や貸切風呂のある宿を選ぶと、人目を気にせず過ごせます
- 小さな子ども連れの家族:長島温泉がいちばんの候補です。遊園地やプールと温泉が同じ敷地内にあり、移動の負担が少なく済みます
- 三世代・親世代との旅:鳥羽駅から近い宿や送迎つきの宿なら、長い坂道や乗り換えの負担を減らせます
- アウトドア好き:湯の山温泉なら、御在所岳の登山やロープウエイと組み合わせられます
混雑を避ける予約時期と曜日
三重県の温泉宿が最も混み合うのは、年末年始の初詣シーズン、ゴールデンウィーク、夏休み、そして紅葉の週末です。とくに伊勢神宮の初詣に合わせた鳥羽の宿は、秋のうちに満室になるケースも珍しくありません。
- 日曜泊・平日泊を選ぶ:料金が下がり、大浴場もゆったり使えます
- 3か月前には候補を絞る:人気の宿の露天風呂付き客室は数が少なく、早めに埋まります
- 大浴場は朝か21時以降に:チェックイン直後の16〜18時は大浴場が混みやすい時間帯です
持ち物チェックリスト

旅館にはタオルや浴衣が用意されていますが、湯めぐりや日帰り入浴を組み合わせるなら、次のものがあると快適です。
コンパクトな速乾タオル
速乾タオルは、旅館の外で日帰り入浴をするときに重宝します。宿のタオルを持ち出さずに済むうえ、翌日の移動中にも乾くので便利です。(楽天市場で速乾タオルを見る)
【2枚セット】ビーチタオル 大判 160x80cm カラフルな花バスタオル スイムタオル ビーチブランケット 柔らかい 超吸水 速乾 軽量 防砂 バスタオル スポーツタオル ヘアタオル 海水浴 スイミング プール ホテル 旅行用タオル 湯上げタオル お湯 温泉 花柄 コンパクト
5,800円 (税込)
防水の温泉バッグ
湯めぐりで使った濡れたタオルを入れておける防水の温泉バッグがあると、旅行かばんの中身を濡らさずに済みます。(楽天市場で温泉バッグを見る)
防水バッグ ショルダーバッグ 通勤バッグ 斜め掛け 肩掛け 赤 黄色 黒 白 レッド イエロー ブラック ホワイト スパバッグ プールバッグ 温泉バッグ 母の日 プレゼント ジムバッグ おしゃれ 男の子 メンズ レディース 通学 Mussel Stream Trail ストリームトレイル 防災かばん
14,300円 (税込)
ミニサイズの保湿ケアセット
アルカリ性の湯は肌がすべすべになる一方で、湯上がりは乾燥しやすくなります。保湿ケアセットを持っていくと、翌朝の肌の調子がぐっと整いやすくなるでしょう。
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1,320円 (税込)
よくある質問

Q1. 三重県で美肌の湯として知られる温泉はどこですか?
A. pH9.6前後の榊原温泉が代表的です。湯の山温泉や鳥羽温泉郷もアルカリ性の湯で、肌あたりのやわらかさに定評があります。
Q2. 伊勢神宮の参拝に便利な温泉宿はどこですか?
A. 鳥羽温泉郷が便利です。鳥羽駅周辺の宿から内宮までは車で20〜30分ほどで、二見興玉神社の夫婦岩にも立ち寄れます。
Q3. 子ども連れにおすすめの温泉地はどこですか?
A. 長島温泉です。リゾート内のホテルに泊まると、湯あみの島とナガシマスパーランドに2日間入場できる特典があり、遊びと温泉を1か所で楽しめます。
Q4. 伊勢海老が食べられるのはいつですか?
A. 三重県の伊勢海老漁の解禁は、例年10月です。秋から春にかけて、鳥羽や志摩の宿で伊勢海老つきのプランが増えます。
Q5. 車がなくても温泉宿に行けますか?
A. はい、電車とバスだけでも十分に向かえるでしょう。湯の山温泉は近鉄湯の山温泉駅から路線バス、榊原温泉は榊原温泉口駅から宿の送迎、鳥羽温泉郷は鳥羽駅から徒歩圏内の宿もあります。送迎の時間は宿ごとに異なるため、予約時に確認しましょう。
Q6. 日帰りで温泉だけを楽しめますか?
A. 長島温泉の湯あみの島や、湯元榊原舘の「湯の庄」など、日帰り入浴ができる施設があります。旅館の日帰り入浴は受付時間が限られることが多いため、事前に電話で確かめると安心です。
次の三重旅は「湯」を軸に計画しよう
三重県の温泉宿は、紅葉と山を楽しむなら湯の山、静かに美肌の湯に浸かるなら榊原、家族で遊び尽くすなら長島、海の幸と伊勢参りを組み合わせるなら鳥羽、と目的で選ぶと失敗しにくくなります。
行きたい温泉地が決まったら、平日と週末の料金を並べて比べるところから始めてみましょう。伊勢海老の季節や紅葉の時期は早く埋まるため、日程が決まった段階で押さえておくのがおすすめです。
